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●ピーター・シェーファー「エクウス」
個展が迫っているが、未だに左肩から手の筋まで調子が悪いので、ギターも弾けず、版画も作業効率30%減で焦ってしまうから、とても日記を書く気になれない。そんな時にツイッターはとても便利で、軽くつぶやいてはけ口のようにしていたので、ここ1週間のことも自分のつぶやきを見返して思い出した。 3月30日火曜日は肩関節のヒアルロン酸注入第4回目を。1ヶ月前は腕は横に5度しか上がらなかったが15度だとよ。15度でも相当上がってんだぞぉ。横に15度腕を上げて肘を曲げたところがギターのネックの押さえられる位置なわけだ。それが先日見たディランの、肩のあたりにネックを持って来て弾くスタイルとなるということがわかろうよ。少しは練習してるのだが、肩をかばうために腕が異常なほどの筋肉痛になってしまった。アア・・・ それから家族が入院していた病院に診断書を取りに行った。保険は高い。しかし入ってなかったら今頃借金まみれであった。やっぱし入っててよかった〜 勿論午後は工房で作業して、夜はK太郎と一緒に浜松町の「自由劇場」に行き、「エクウス」を見た。たまに劇団四季のチケットをいただくのだ。エクウスはストレートプレイで、歌はないし、社会派問題作。脚本はピーター・シェーファーで、馬と少年の絡みと少年の診療をする医者(日下武)の鬱々とした気持ちが演じられる。馬のかぶり物とひずめが金属でできていて、とても良いし、馬6頭の役者が背が高くてカッコよく、馬のポーズもモンスターエンジンの「暇をもてあました神々の遊び」スタイルなのがよかった。K太郎は半分寝入ってしまい、「マジかよ〜、女も脱いだのかよ〜」と残念がっていて笑った(男女が裸になるところがあるのだが、照明が凄くって、見えそうで絶対に見えないのだ)。K太郎には馬と少年のヌメッとした関係について「あんたとチイちゃんの関係と同じよ」と話しておいた。いいのか・・・・? 馬は神々しい。 ピーター・シェーファーは「アマデウス」で有名なんだろうけれど、わたしにとってはミア・ファーローとトポルの出た映画「フォロー・ミー」の脚本としてインプットされているのだ。この映画はわたしのフェイバリット映画の1本なのだ。何度見ても新しい発見があり、飽きない。そして終わりがまた素敵で・・・ 「どんなんでもいい、これだけの情熱をわたしは持ったことがあっただろうか・・・」と医者は自問自答する。思えば「アマデウス」でもサリエリはモーツアルトを「とんでもない奴」と思いながらも嫉妬するし、「フォロー・ミー」でも実直な夫は、奔放な妻を「とんでもないことをしている」と思いながらも改めて惹かれていくのだ。ピーター・シェーファーはそういった自分の中にある二面性やタブーを直視することの難しさと大切さを描く脚本家なのだろう。 ●松岡美術館と六本木クロッシング 31日は目黒の松岡美術館に「吉祥のうつわ展」を見に行った。この場所が驚きで、松岡翁の所蔵品に目がくらんだ。吉祥のうつわは中国の吉祥文様付きつぼだの皿だの。個展のために勉強に行ったのだが、ほとんどの吉祥文様についてはもう充分知っていた自分にビックリ。自然と勉強してたんだなあ〜 アア、それよりもこの美術館の個人蔵の凄さ。ガンダーラ美術の部屋あり、エジプトの木棺の部屋あり、ムーアの彫刻ドーンドーンの部屋あり、ギリシャ彫刻もドッカーン、ドッカーン。ジャコメッティの小さいけれどかわいらしい猫のブロンズ。ミレーなんぞもあったし、おそるべしぃ〜〜〜〜、昭和の実業家。 勿論この日も午後は工房で作業。そして夜は六本木の森美術館でやっている「六本木クロッシング」へ。ロンドンで知り合い、一緒にウナギ料理を食べたり、ロル・コックスヒルに電話でアポをとってもらったりした現代アートの作家横溝静氏が今年招かれていて、来日していたから、共通友人のIさんと3人でまずはビールを飲んでおしゃべりとなった。(美術館は夜10時までやっていて、ゆったり見られていい。夜景も見られるしね。)彼女はパンクというかノイズが好きで、サボテンも知っていたもんだから、昨年の秋にあった80年代のインディーズのイベントも知っていて、「出てると思ってた」と言うので「ああ、あれは丁度家が大変だったし、今更昔のものに出なくてもいいかなと思って辞退した」と話す。ロンドンのライブハウスでカムラさん(水玉消防団ーー我々とよくブッキングされていた女バンド。先輩だすな)を見たそうで、オオ、懐かしや。たしかカムラさんは中央大学で、横溝さんも中央大学の哲学科だった。教えてあげたら「先輩だ!うれしい」と喜んでいた。現代アートの横溝さんが哲学科というのが嬉しい。美術大学じゃなくても美術をやっている人は多いのだ。アートだから。 昨年の「六本木クロッシング」は日本のアキバな感じが席巻していて、もうイイヤこんなの、とわたしは思っていた。今年はそうゆうのはなかったなあ。横溝さんは昨年も写真美術館で展示したロンドンの娼婦の写真で、客の目線、娼婦の見られているという感覚と、見ている側と、そしてそれを見るわたしたちのどれもにかかっているフィルターについて感じさせる。とても哲学的なんだな、やっぱり。 わたしがおもしろいと思ったのは相川さんと青山さんだった。 相川勝さんはCDの丸丸コピー。36枚のCDジャケが並んでいる。どれも有名なロックの名盤みたいなもので、手描きでソックリに描いている。こうゆうのは昔わたしもやってたし、みんなやるよね。ただおもしろかったのはソコではなくて、試聴機にその全てが入っていて、盤もそっくりに作られているだけではなく「ま、まさか!?」と思って聞いてみたら、すべてのCD、全曲を鼻歌で(本人の声のみ)歌ってることなのだ!この中にはベートーベンの交響曲もあるし、クラフトワークやジミヘンやピンクフロイドもある。もう馬鹿馬鹿しくておかしい。こうゆう馬鹿馬鹿しいことをやるためにどれだけこの人は時間をつかっただろうか。クスッと笑わせるためにこれだけの労力を使うこと、これがイイなあ、とわたしは脱帽してしまいました。ビール飲んでから行ったんで、たくさん聴く気力は失ってたんで、あとから思い返すと、もっと聞けばよかったと思ったとです。でも鼻歌なんだけどね。 青山さんの刺繍作品。 もう一人の青山悟さんの作品もよかった。暗い部屋の中にボウッと光る写真。と思ったら、それは金糸を使った刺繍で、新聞の写真などをリアルに刺繍しているのでした。日本刺繍のような(刺繍にくわしくないんで間違ってたら失礼)細かいタイプのもので、とてもきれいなんすよ。これもまた時間のかかる作品だ。 この両氏に共通するのは、アーツ&クラフツ的だということで、昨年までのアキバ系・・・というかキッチュなアニメ系とは明らかに違う。どっちも日本人らしいなあ、とも思う。が、ここ何年もの漫画チックな流行から青山さんのような作品が出て来たのは、実は嬉しい気分だった。また、相川さんのは笑えるところがなんともダダ的でよかったんですよねー。わたしはこうゆうのが好きザンス。無駄な努力と言ってはいけない。アレは立派な努力だと思います。 ●しあわせを描くことの難しさ 個展のための9枚連作。DM用の1点を手こずりながらやっていたが、きょうやっとできあがった。ヤッホー!! 前の日記にも書いたけれど、最後の1枚がまだ残っていて、これが屈託のない「しあわせ」いっぱいのシーンの絵なんであーる。で、それが描けないということに愕然となった、と書いた。しあわせいっぱいの絵が描けないのは、ひねくれているからなのだろうか?わたしがしあわせであるか不幸であるかは全然これとは関係のないことだ。 六本木で横溝さんにその話をしたら、彼女も「わたしもそうだなー。我々はその壁を乗り越えなくては行けない、ってことだねー」と言う。そうなんだよ。それはある種の人にとってはとてもとても高い壁なのだよ。 今回はわたしは自分にあるルールを課した。イラストレーターとしての仕事の場合は、誰かの文章に絵をつけたり、物の説明のために人にわかりやすくするような絵を描くことが多い。今回はとある物語にわたしなりのオリジナルな絵をつけようというものだ。勝手に物語を変えてはいけない。とにかく得意不得意関係なく物語を完成させなければならない。しかもただの説明に終わらないように、1点1点版画作品として完成させたい。という意向なのだ。 難しい。でも、楽しい。だから、普段よりもジックリ制作しているような気がする。11月から個展のための制作を始め、5ヶ月が過ぎた。やっと8点なのだ。今までだったら12作品くらいはできている。でも、とにかくこの連作ができれば良い、ほかは考えない、というやり方にしているので、納得いくまでいろいろやっていている。 しあわせなひと時の絵が、なんとなく下絵ができているのだけれど、「こんなものが本当にしあわせだろうか?これでいいのか?この人たちは?」とつい思ってしまってやはり完成できない。物語はできあがっているものなので、主人公の二人がやってることをわたしが勝手に否定しては元も子もないんだよね。しかも、畑を作ったり、本を書いたりすることも否定するものではないのだけれど、なーんかついツッコミを入れてしまうわけですよ・・・・。 なんとかルールにしたがって今週中にはこれを仕上げたいと思う。わたしが一番尊敬するのは小さな子どもが本当にうれしそうに見るような絵本を描く作家です。景。
by eggdance
| 2010-04-04 22:13
| 作品/art
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