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きのうはかねてより計画していたジプシー祭りの日でした。
その前に銀座Oギャラリーにて安藤菜穂子さんの銅版画展をばまずは見る。毛細血管が木々や植物の葉脈とオーバーラップする。この女性的、性的な感じというのは今年の芥グア賞や直クィ賞とも重なっているような・・・(読んでないけど)そういった流れがあるのかなあ。ただ、安藤さんのはマンディアルグを感じさせる腺病質さがあり、そんな世界観に統一された展示でした。内容的に小さいものを想像してたけど、案外大きかった。大きいほうがちょっと病的な表現のものが実は怖く見えない、というのは発見でありました。そのあとおととい書いた漆のアーティスト夏愛華さんの作品を見に、みずほストリートギャラリーへ。やはり色といい質感といいよかったです。でも、作品集にはもっと大きくて大胆なものが入っていて、あれも実物が見たいものだ、と思ってます。 そこから日本橋三越までついつい歩いてしまった。きのう一緒にジプシー祭り(と勝手に名付けた)をやってきた千駄木くんの紹介で硯作家雨宮弥太郎の展示を見てきた。これも工芸と生活が密着したものなわけで、引き続き立派な実用品を見てしまった。さすがに三越はいいなあ。上の階に最初間違って行ってしまって、ちょうどオルゴール展をやっていたのでからくり人形だとか古い劇場型のものだとか、たくさん見て楽しかった。日本のからくり人形のからくりというのは、中に水銀が入っているんだってね。きょう解説の人の話で初めて知った。それがゆっくりと流れて動いて、宙返りしたりする。三越本店のも催し物はすばらしいものが多い。無料で博物館体験できる。 ここで千駄木くんとおちあって、茅場町のギャラリーへ。ここで無料の映画を2本見る。1本は「歌っているのは誰」スロボダン・シャン1980年。もう1本は「ドリー・ベルを覚えているかい?」エミール・クストリッツア最初の長編1981年。日本で公開されたクストリッツア作品はこれで全部見たことになる。やっと観られてうれしい。どちらもおもしろくて、ジンワリ感動する良い映画でした。そして、どちらにもSlavko Stimacという俳優が出ているのですが、この人は『アンダーグラウンド』で猿と一緒にいて、最後に生き残る役ですばらしかった人です。最初の作品「ドリー・ベル」では多分10代でしょうけど、とてもかわいくて繊細そうな表情が主役をはるのにふさわしい貫禄を伴っていていいんです。「歌っているのは誰?」ではさらに1年若くして旅のバスに乗り込む結婚式帰りの無口な花婿の役ででてまして・・これも初々しくてきれいで良かったです。「アンダーグラウンド」のあとは「ライフ・イズ・ミラクル」で主役を演じて、やはり良かった。お父さんの役だけど、若い女の子と恋に堕ちる純真な目が印象的で、クライマックスでは胸は痛くなった。あちらでは相当名優だ、と何かで読んだことがある。 2本を堪能して、(無料ですが解説のパンフレットは300円。しかし、これがないと駄目なの。だって、1本目は字幕無しのセルビア語。2本目は英語字幕。でも、内容はよーくわかるんです。人の性格の設定が複雑じゃないのでわかりやすい。「ドリー・ベル」の方はもう少し青年の思春期の気持ちと挫折していくコミュニストのお父さんの心理というのがあって複雑だったけど)すぐさま今度は渋谷のシネ・アミューズへ。着いて少ししたらもう開場。 『ジプシー・キャラバン』をビール飲みながら見ました。楽しい。 最近こんなに人のいる映画館に入ったことなかったかも。4つの国のジプシー(ロマ)のミュージシャンが集まりアメリカをツアーした時のドキュメント。最初はわたしもコンサートを見にいって楽しかったルーマニアのファンファーレ・チョカリーアとタラフ・ドゥ・ハイドゥークスが目当てだったのだけど、インドのマハラジャというバンドもスペインのフラメンコと歌の人もマケドニアの歌手エスマもすばらしかったので、全編よかった。タラフの長老ヴァイオリン奏者のニコラエおじいさんがまだ生きていて、自分が孫の音楽学校の学費を出していることなどを誇らしげに語っていたのが印象的だった。途中でニコラエおじいさんが亡くなったシーンもあり、タラフのメンバーは夜通し外で演奏しつづけるところは感動的だったです。冠婚葬祭の音楽なのだ。彼らの音楽は。そうやって暮らしてきた。エスマさんは名前だけは知っていたけど実際に見て聞いたのは初めて。声量とリズム感で圧倒する。ガジョ(ロマじゃない人のこと)と初めて結婚したロマだと言っていた。今一部で話題のSさんが書いたロマ本によるとロマの中でもカースト制度のようなものはあって、ミュージシャンの家系に生まれたものは、死ぬまでミュージシャン。それはまだしも、物乞いに生まれたものは死ぬまで物乞い・・・これは今でも本当にそうなんだろうか?あまりにも切ない。とちょっと疑問だったのだけど、インドのダンサーの人が、元々は大工のカーストだったけれど、家族の面倒をみるために得意なダンスを生かしてダンサーになった、と言っていたので、(勿論相当の努力をしたと語っていたけど)今はそんなにガチガチのカースト制はないのかもしれないなー。とゆうか、そこから脱しようとする人たちがいないわけないものね。フラメンコは女の人の方が衣装が派手だし主役のように思っていて、そんなに興味はなかったのだけど、このツアーでは歌う貫禄十分のおばさんとその甥のイケメンダンサーが主役。かっこよかったです。どの音楽も違うようで似ている。インドがルーツなせいかマハラジャが一番許容範囲が広い感じで、どの国のジプシーの音楽でもアッという間に自分たちの音楽のように表現できるところがおもしろいと思った。結局は一番許容範囲が狭そうなフラメンコダンサーとマハラジャのヴォーカルがエラい仲良しになっていたのが、これまた楽しかった。 そういえば、タラフを渋谷で見にいった時、ニコラエおじいさんは亡くなったばかりでしたが、CDの販売のところに確かニコラエおじいさんのヴァイオリンが売られていた。帰りの頃まで売れてなかったけど、5万円くらいだったような。とっておく、という感覚は持ち合わせていないのかもしれない。今を生きるということがすべてなのだろうと思う。弦をギリギリいわせて弾くカエルのような音、また聞いてみたいなあ。ジョニー・デップが友人として出てた。わたしもDVDで見て感動した「耳に残るは君の歌声」で競演している。デップはおとうさんがヨーロッパのロマの血をひいているから、やはり気持ちが高鳴るのだろうと思う。DVDのボーナスのところに夜ッピキ演奏する彼らの映像が入っていて、それが楽しい。あのサントラも大好き。それにしても、ファンファーレ・チョカリーアが出てくるととても雰囲気が陽気になるよね。あれはやっぱりブラスのせいなのか。 そういえば、彼らの演奏からはじまるクストリッツアの「アンダーグラウンド」では、最初に動物がバタバタ破壊された街を徘徊する。あの動物の群れはただ単にあちらの風景なのか、クストリッツアの趣味なのか、と考えていたのだけど、きょう最初に見た映画上映会のパンフレットによると、戦時中にベオグラードの動物園が破壊されて、本当に動物の群れがなだれ込んだらしいのだ。これは目にした者にとっては到底忘れられるような光景ではないと思う。もしかしたら、クストリッツアの動物満載趣味は、ここからきてるのかもしれないなあ。しかし、思えば動物の大暴走は、わたしにとってはマルクスブラザーズの「我が輩はカモである」が一番強烈だったのだ。唐突にこのソウやライオンの暴走の映像が入り込むこの映画は、サルトルも感動して論文に書いていたほどで(どれだかは忘れたけど)、これを実存主義と結びつけていたようだけど、実際はシュールなワンカットだったと思う。 この「ジプシー・キャラバン」に大勢の人が来ていたので、クストリッツア&ノー・スモーキング・オーケストラもそれなりに人は入るのかもしれないねえ、それならいいけどねえ、と千駄木くんと入りの心配をしたりする。わたしの回りでは超有名人だけど、日本ではかなりのマイナーバンドと思われる。クストリッツア監督だって、たくさん賞はとってるけど、ヨン様のようには知られてない。 うどんを食し、山口晃の本など見たりする。きのう行った三越本店のリニューアルの時の日本画のようなポスターは本当に印象的だった。この方の漫画が美術館で展示されていたりする。六本木クロッシングでも何人かが巨大な漫画で展示をされていた。 楽しいジプシー三昧祭りでした。でも、クストリッツア監督の「ドリーベル〜」にはジプシーは出てきませんでしたヨ。全部の作品にジプシーが出てくるわけではなくて、いつも、政治とそれによって植え付けられる思想によって翻弄される一般庶民が描かれている。翻弄はされても、人間本来のやさしさが登場人物には思想と関係なく貫かれていて、それでわたしはどの作品も愛せるのだと思う。 てなわけで、きのうはジプシー祭り、そして、きょうは和製ジプシーバンドのフレイレフとの共演作のための歌詞がやっと完成!3曲中の3曲目ができた。こんなギリギリにできて大丈夫なのかしら・・?大丈夫でしょう、多分。
by eggdance
| 2008-01-22 00:46
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Comments(2)
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