大人になったジミー

●『さらば青春の光』また見てしまった

　『さらば青春の光』プレミアム・ベスト・コレクションというのが出ていることをきのうの朝知り、音声解説、ロケ地の解説、フーの時代、エンディングの謎、なんつーの見たさに即ポチッとアマゾンで購入。元々１８００円くらいで安い上に、ポイントがどうのこうので１０００円強で買えてしまった。夕方には届き、すっかり見入ってしまいました。

　大人になったジミーほか数名の俳優と、監督の話の入った２枚目を先に見る。ブライトンの暴動のシーンの説明が圧巻で、とてもエキサイティングでおもしろかった。主役のジミー役にははじめはジョニー・ロットンが有力候補だったのは初耳だった。とてもすばらしいオーディションだったそうだけど、彼が最後まで撮影にたずさわれるかどうかが問題で保険会社に却下されたそうだ。ちょっと見たかったなあ、とも思う。

　よく話題にされるジミーの最後・・・。これは勿論死にはしないのだ。惨めな思いを経験してこれからも生きていくのだ。


　DVDで改めて見ると、細かい部分がよく見えておもしろい。そうゆうところを見なくても良い映画もあるだろうけれど、この映画は細かいところが気になるのだ。設定の６４年。先月から書いている海賊ラジオの時代なのだ。で、映画を見ていた時にはわからなかったけれど、ジミーはテレビでは「レディ・ステディ・ゴー」を見ていて、部屋に戻ると・・・・オオ！このジングルは、先月たくさん聞いていた「ラジオ・ロンドン」のジングルではないかいなぁ〜〜！６４年から６７年までは英国の若者はみんなこの海賊ラジオを聞いていたのだ。ここで聞けるとは、嬉しや。このラジオのことを書いた時に、フーの「セル．アウト」のことを書いたけれど、この映画のパーティのシーンで、ジャケットがたてかけられていた。このアルバムは６７年の１１月発売なので、実際にはこの映画で使われるのは間違いだし、ジミーがかけた「マイ・ジェネレーション」も６５年のだから間違いなのだ。でも、監督もわかっていたけれどわかりやすさをとってかけた、と話していた。

　ほかにも、最初に出てくるいかにも労働者階級のカフェで「パイ＆マッシュwithパセリソース」を食べているのも嬉しい。たっぷりとテーブルにおいてあるモルトビネガーをかけている。暴動の撮影は相当たのしかったようで、解説もタップリと。スティングがダンスが下手でスクーターにもなかなか乗れてないというのもおかしかった。音楽にもバイクにもノレてないってのがおかしい。たしかに、スティングは好きだけれどあの映画ではどうもそんなにカッコいいとは思えなかったもんなー。ブライトンの海はとても美しく、火事で燃えてしまったウエストピアも映っている。

　何度見てもいろんな発見があっておもしろいな。それにしても、上流階級の人の発音さえよく聞き取れないのに（ブレアさんみたいでハッキリとしてきれいなんだけどね）、労働者階級側のはほとんどわからない。説明によるととにかく彼らは休み無くしゃべるようにしているから卑語をそのすき間に五万と入れこんでいるんだってサ。もう四文字言葉のオンパレードで、それだけはなんとなくわたしにもわかるのでありました。クソクソクソクソクソ〜〜〜〜な感じ。

　今はない公衆浴場の話や、モッズのカフェが今は高級ガストロパブになっているとか、シェパーズ・ブッシュのマーケットが（ここ通ったから嬉しい！）映ったり、ライブハウスが映ったりと飽きない。さかんに「日本人が喜ぶ」と話しているのだけど、そんなに日本でヒットしたのかぁ・・・・って、わたしも即見に行ったクチだけど。ジミーのモッズコートも日本だったら高く売れるぞ、なーんて解説で笑って話してる。


　１０００円ちょっとでこんなに楽しめてよかった。来週は延長になったマイケルの映画でも見ようかと思っている。一緒に注文した本はすぐには来ないらしい。こちらはアイルランドの詩人の本。つい買ってしまったけど、退屈そう・・・