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きょうはお目出たいお話をば
********************賞に無縁なわたしですが 『装画を描くコンペティション・本という宇宙』というのは、青山にあるギャラリーハウス・MAYAで毎年行われているコンペです。今年で10年目で、本をモチーフとしたコンペなので、毎回お題が出ます。毎回もの凄くたくさんの参加者がいるんですよ。わたしは以前に3度出してまして(毎回最後まで残ってる人、ですわ)、一度目はなんだったか・・・あれ、忘れた。その次は「ライ麦畑でつかまえて」で出したのでした。あ、そうそう、お題はいくつか出るのですが、何点か出す場合はお題じゃないものでも良いのです。物語であれば。思い出した、最初の参加の時はゲーテの「君よ知るや南の国」だったんだ。ミニヨンの卵ダンスを出した。これもお題にはなかったものでした。コンペに出すことはほとんどなかった。当然賞をいただくこともなく、今回は小学6年生の時の防犯ポスター銀賞以来なのでした。うれしや。 このコンペはグランプリと準グランプリと3人の装幀家の方とギャラリーハウスMAYAの大矢マヤさんの4人の審査員個人賞があります。わたしの受賞は幻冬舎のデザイン室室長平川彰さんにいただいたのでした。光栄です。ありがとうございました! 前の日記のつづきになりますが、4日ブリューゲル展のあと工房で作業をしている時に連絡があったんす。その前にも2度着信履歴があったのですが、 iPhoneにしてからというもの、なんだか連絡先名簿がグチャグチャなんだなあ・・・・で、どなたからの着信なのかわからないことが多くなってしまい、わからないものに関してはとりあえずは「どなたさんでしょうか?」と返事をするのも変なので、電話してないのでした。で、ようやく三日目に連絡がついて、本当にもう失礼いたしました!! MAYAさんのこの賞に関してはコチラで見てくださいね。 http://www.gallery-h-maya.com/compe.html ここから審査員講評のところで平川さん&ほかのみなさまのコンペの選評が見られまして、みなさんのお言葉、なるほど・・・と思いました。コンペに出す理由はいろいろだと思いますが、目に留まりたいという気持ちは誰にでもあることで、そして、平川さんがおっしゃる通り 『コンペ向きの絵と仕事で使いやすいイラストレーションとでは必ずしも一致しないのはもはや常識。かつてのようにコンペ受賞 →発掘→仕事の近道という構図は今は皆無に等しい。展示において圧倒する力を秘め、しかも仕事として柔軟に対応できる可能性が備わる作品…、そんな条件を合議制で選考する「装画を描くコンペティション」は数有るコンペの中でも相当な難関と思われる。』 というのは、まさにそうだな・・・と。そして最後に 『今後、装画は一般的な商品価値としてでなく、よりマニアの世界に進むだろう。そんな流れを鑑みて、売れる売れない仕事に繋がる繋がらないではなく、より趣味性の高い絵を描くことが臨まれる。 』 と締めくくられている。要するに、雑多な情報が渦巻く中、自分の情熱と愛がどこに向けられているのか、そしてそれを流行(はやり)すたり関係なくやりつづけられるか、ということが大事なのだろう、とわたしはとらえていて、とても納得のいく言葉だった。 平川さんのわたしのを選んでくださった理由が『選んだ本の趣味の良さに特に惹かれた。』(ちょっと恥ずかしいので赤字にできず!)とかかれているのは、まさにそこんとこなのだろう、とこれまた納得してしまった。だって、どれだけわたしはしつこく「柳模様」を描いていることか!それはただただマニアックなまでにやっていることなのだ。 しかし、これは反面自分の趣味・興味のあることについてはオタクなまでに追求し描くことができるが、そうではないものに対してはどうなんよ?という問いかけもできるわけだ。イラストレーターとしてはどうなんかい?ということにも繋がるが、それはもうほとんどわたしは考えてないのだ。若くもないし、それなりになんやかんや仕事もしてきたので、わたしはわたしの描きたいものは「これなのだ」とこちらがわから発しつづけていくことしか考えてない、というのが本当のところだ。 イラストレーターとしての自分と銅版画家としての自分の区別・・・さらには音楽をやっている自分・・・に悩んだ頃も実際あったのだ。けれども、その振れ幅は年々縮まっているなぁと最近思うのだ。自分が「こうゆうことをやっています、こうゆう事が好きなのです」と発していき、生活そのものにその愛と情熱が表れてくれば、表現方法なんてものはどうでも良いことなのだ。イラストを描き始めて少ししてからバンドも始めたのだが、その時も結局同じ気持ちだったハズなのだ。当時はそんなに大袈裟な気持ちは勿論なくって、単に「今やるべきことはバンド!」としか思ってなかったとはしても。 平川さんのいう「趣味性」という言葉で考えるとすれば、まさにわたしはそこでしか物事を考えてないように思う。いや、本当に嬉しいです、平川さんのお言葉は。ありがとうございました。 そしてマヤさんにもお礼を申し上げます。すべての絵にすべて自筆でコメントを書いてくださってます。貴重なご意見です。 **************わたしがとっても嬉しい理由は「柳模様」だったから、という話をします。 受賞のお知らせのあとすぐに下田に休暇に行ってしまったので、喜びはス〜〜〜ッと静かに漂うことになり、最初に知らせたのは仲良しのHさんのみで、 MAYAのサイトでの発表のあと、ワーイ!ワーイ!と喜んだのはツイッターということになりました。時代だなあ〜。ツイッターでは何人もの方におめでとうと言ってもらって、本当に嬉しかったです。お返事はほとんど下田の海からだった。そういえばそんなわけでまだ親にも言ってないや。 MAYAでお世話になっているロックなレンコさんからも、また、友人Hさんからも、「よかったねー、だって柳ホテルの個展、マヤで初めてやったんだものね、ずっと描いてたものね」と言われたその時に、わたしはジトッと感慨に耽ってしまいまして、ちょっと目が潤んでしまいました。鬼の目にも涙。 そうなんです、今回の絵は「柳模様の物語」の連作の中の作品だったんです。 お題もの2点を用意していたのですが、持って行くその日に何故か踏みとどまってしまった。これじゃないんじゃないのかなあ・・と漠然と思って。で、当日になって受賞の1枚が今のわたしの絵だし・・・と1点増やしたのです。「The Willow Pattern Story」は、英国の陶磁器の模様につけられた作者不詳の物語です。そこからわたしにとっていろんな事が生まれました。その一つが2002年のギャラリーハウスMAYAでの「柳ホテル」の個展でした。この柳模様から喚起されたわたしのオリジナルなホテルの物語でした。そこからわたしのしつっこい柳の旅は始まりました。 曲を作り、歌詞を作り、また銅版画を制作する。版画を制作すればまた曲ができ、歌詞ができた。そうやって5年も妄想しまくりでやっていたらしっかりと輪郭もできあがり、画集&CD『Bronze & Willow』が生まれた。これには心底力を注ぎ、そしてわたしはこれほど多くの人の尽力と愛に恵まれたこともなく、今だからこそ再度この作品を出してくださったジパングレーベルと横田社長、すばらしいデザインをしてくださったT-breakの江口さん小畠さん、わたしの酷い楽譜と音のこだわりに文句ひとつ言わず、なおかつ個々の魅力を存分に出してくださったミュージシャン、関島さん、向島さん、秋岡さん、今井和雄さん、ナスノさん、フレイレフジャンボリーのみなさん、牧野くん、植村さん、音楽プロデユースの近藤さん、そしてこの作品を「作ろう!」と言ってくれたキャロサンプの野田っちに感謝のことばと、今回の受賞のことを報告したいと思うのです。わたしの妄想に手を貸してくれてありがとうございました!この「Bronze & Willow』は本当にすばらしい作品だと自負しております。なかなか皆さんにお会いできない日々なのですが、この作品があるからこそ、今回の受賞もあり、だから、わたしはとっても嬉しくて、そしてみなさんに感謝を、愛を、捧げたくなっちゃったんです! なぜこんな風に繋がっているのか、という話は、こうなんです。 この怒濤のアルバム制作と連続した個展&ライブは充実したものでしたが、その後心身共に何か崩壊しちゃったんでしょうねえ、ちょっと具合が悪くなっちゃったんですねえ。何にとり憑かれているのやら、制作時はJellyの街にふんわりと我が身を漂わせながら、ナチュラルハイだったのかなんなのか、今思えば音に対してはやるべき音がピンポイントで見えていたような研ぎすまされた感覚があったかもしれない。しかしそれと同時にCD制作の後半ころからは数字の「2」が天からゆっくりと落ちて来る幻影も見た。歯車が目の前に表れ、視界をまったく遮った時は恐怖だった。また、道路が揺れて歩けなくなったこともある。それでも朝の来ない夜はないし、へこたれたりはしないんですねえ、わたしは。 それらが一段落し、幻影が見えなくなったころ、落ち着いて考える日々を送ってました。 まあ、目を閉じてみましょうよ。もう歯車はどこかに行った。そして、またじわじわとやりたいことが見えてくるではないですか。わたしがへこたれないのは多分やりたいことがいくらでも出てくるからなのだろうと思う。その一つがある時パッと見えた。それがこの『The Willow Pattern Story』を通しで描こう!ということでした。絵本は根気がいる。だから描こうと思ったことはないのですが、こんな時だからこそ、じっくりと最初から最後までキチンと描こう、今だからこそわたしにはそれができるに違いない、この柳の模様からたくさんのものをわたしは貰い、いくつもの形にしたのだもの、しっかりこの模様に恩返ししよう!と思ったのです。 今年の5月に9枚の作品は無事にできあがって、国立のギャラリー亀福で個展を開くことができました。絵本作家の方の集中力は凄いもんだなあ、とつくづく思いました。画集も大変だったんよぉ〜、でも、一人じゃないもんね。絵本ってのは一人で全部作るんだから、これは大変なことですよねー。しかし、わたしはさらに曲も2曲作ったのですよ。それを一日紙芝居としてお見せしながら、バンド/ママクリオさんにサポートしてもらいながら演奏することができた。やりたいことはやれたなー、という満足感もあり、なんというかわたしはこれからもこんな風にやっていくのだろうなあ、というウッスラとした・・・が、Hではなく HBくらいの鉛筆の線が見えた感じがした。 人は成行きで生きているわけではない。自らの意志で選択して生きている。「なるようにしかならない」。というのは一見受け身の言い方のようだけれど、言い換えれば「なるように選択してこうなった」わけで、自分の意志が介在しているのでなんの恨みつらみもなく、爽やかであ〜る。あとは受け入れるだけなのだ。 でもって最後に・・・・真面目に何か言うと思ったら大間違いだぜぃ、ロックじゃけんね、「あースッキリした。一度賞ってとってみたかった!うれし〜!」 *この版画は、物語の主人公の二人が逃避行をする絵です。「愛」の旗を翻し、想い出の柳の土地をあとにします。
by eggdance
| 2010-08-16 22:43
| willow pattern
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Comments(4)
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orangewords at 2010-08-17 10:11
おめでとうございます!柳模様まだまだ動きますね。
受賞者の展示も今から楽しみです。
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eggdance at 2010-08-17 11:41
MAYAの受賞ページ見ました! 平川さんの言っていること、本当に私も共感した。そしてそれについての松本さんの言ってることも、まさにまさにそうなのだ、と思います。受賞者展も楽しいよん。そういえば私のときもその週に誕生日の子がいたのよ。みずがめ座、賞を取りやすいのか?なんてね。よかったよかったね~。
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eggdance at 2010-08-25 21:00
展覧会中に誕生日なのはとってもラッキーな感じ!Norikoさんも楽しそうだったですもんね。選んでいただいたからには、これからも良い作品を作っていきたいと思います。
生活の様々なことが作品にはすぐに表れてしまいますね。自分の回りの事が一番大事だってことだと思いました。やっと気がついた感じ〜
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