下北沢PIGAのささやかな歴史

7時過ぎるとデカダンで0時過ぎるとペシミストな昨今、日記を夜中に書くとどうも悲観的になってしまっていけない。ってんで、きょうは朝から書くことにした。

●PIGA
　そんなこんなな日々ではあっても、版画は刷っているし、下北沢のギャラリーカフェPIGAでの１０周年記念での展示もしていたのだ。
http://www.piga.or.tv/これがサイトですが、全然更新されてましぇん〜〜〜！
　思い出に耽ってみてもいいかしらん。





PIGAは工房にいた団塊世代の王様（王様の絵を描いていたからそう呼ばれている）がアパレル会社を脱サラして作ったカフェで、目標はパリのカフェでありました。 最初にコッソリ相談された時、わたしにも夢が広がり、週２日くらいはわたしも雇われマダムとなってその日はロックデイにしたりして、ああ、楽しいわ〜と思っていたのでありました。パリだから当然エスプレッソ作らねば、ってことでわたしの一存でデロンギのマシーンを購入。まだ一般的ではなかった時に、エスプレッソとカプチーノは絶対にメニューに入れなきゃ駄目よ、王様！と強く言ったりしてねー。

　さて、始まってみて、駅から近いのに地下ということもあってなかなか人が入ってこない。ま、今もそう入ってこない。エスプレッソは一日１杯しか出ない。なんてことで、デロンギのマシーンは宝の持ち腐れとなった。あとで聞いたら１年で壊れたらしい。多分ミルクの出てくる管が詰まったのだろうと思うけど。
　とりあえずわたしは月曜日任されていて、持参したCDを割と大きな音で出していた。スピーカーはJBLの良いのがついていた。客がいないと大きな音で聞いていて、楽しかった。客が来ると珈琲や紅茶を入れたり、当時わたしより通っていた朝子ちゃんが作っていた美味しそうなケーキを出したりしていた。カフェ日記もこのWEB日記に書いていたので、たまにサボテンファンが来ることがあって、そんな時はカウンターを挟んで音楽の話をした。

　そんな時、京都生活から横浜に戻って来たミュージシャンの桂牧さんが尋ねてきた。初対面で何がなんだかわからなかったが、貰ったCD-Rがとても良かったので、ここでライブやればいいじゃん、ということになり、王様の依頼で牧さんと二人でライブができるようにアンプとマイクを買いに行ったり。マツキヨに頼んで小型で性能の良いミキサーも手に入れた。
　第一回目のPIGAライブはそんなわけで桂牧復活ライブとなった。それからわたしもその時に「喫茶ロック」で偶然名前が浮上していて音楽活動復活していたチャプスイ・Memiこと永原めぐみさんとソロのライブをすることになった。Memiさんはネオマチスというバンドの人だったのですが、たしかこの時その時のアルバムが復刻したんだったかな・・・。Memiさんはライターになってから知り合って、仲良くなった。しばらくしてから話の中に８０年代のインディーズの臭いをお互い感じ、「ええ〜！あなたって、ネオマチスの人？」「ええ〜！？あなたってサボテンの人？！」と発覚したのでした。不思議な縁です。その後Memiさんのラジオ番組に２回も出してもらった。ありがとう。

PIGAは今でもライブできますので、どうぞドンドンやってください。なんならわたしがミキサーします。


深夜番組で下北沢の紹介があって、チラと出たりした。まあまあのんびり楽しくわたしはやっていたけれど、経営は酷くて、そのうちバイトは全員クビになりまして、今は王様がだいたい一人。時々妹さん（とってもやさしくてイイ人です）とイブちゃんという女の子が土日に来ています。カレーでちょっと有名になったので、食べ物はカレー中心です。それから、王様は映画、美術には詳しいので、たくさん雑誌や本など置いてますので長居して見てってね。それと王様はジャズが好きなんでジャズはたくさんあります。ロックもかかってたなあ、そうそうサマータイム・ブルースかかってた。THE WHOのだけど。ボサノバもレゲエもかかります。

　というわけで、いつも大変そうなわりには１０年もやってるんだからスゴいなあ。王様は人に支えられてるし、基本ポジティブなんよな。そうじゃなきゃイケナイな。３日はその時のスタッフの銅版画家、わたしと三階朝子、山田奈乙介が集まり、工房の新旧メンバーもちょっこし来てくれてささやかなお祝いパーティとなりました。原発と津波でみんな不安がいっぱいだけれど、たまにはこうやってパーッとパーティしたいもんです。

　王様、おめでとー！またリハの後にでも寄りますね。