「ある嘘つきの物語」グレアム・チャップマンの悪夢な自伝

書かずにいられないので、久しぶりに映画のこと。

「ある嘘つきの物語」をTIFF上映で見てきた。
http://2012.tiff-jp.net/ja/lineup/works.php?id=151
（予告編見られます）
モンティ・パイソンのリーダーで、４８歳で喉頭がんで亡くなったグレアム・チャップマンの自伝。ゲイでアル中で紳士。
シチュエーションごとに何人ものアニメーターが作っている。とても面白かった。
モンティ・パイソン好きとして見ずにいられなかった〜。特出すべきはグレアム・チャップマンが自ら自伝の録音をしていたものが発見されて（２０年来のパートナーが見つけ出した）を全編で使用している点。それがテンポが良くて堂々としているところが良い。さすが

「悪夢（ナイトメア）」（質疑応答でのお客さんの言葉）がまさに破滅と知性と共に描かれていて、途中からローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズと重なってしまった。
チャップマンがアル中を克服したあとのインタビューで「自分の実力以上に売れた（のがアル中の原因）」と言っていたが、チャップマンもブライアンも実力はあったしセンス、勘でもってグループを造り、そのリーダーではあったのは間違いないが、爆発的に売れたのはその後の他のメンバーの魅力（と実力）だったのだと思う。ストーンズでは圧倒的にわたしはブライアンが好きだけれど、パイソンではほかのメンバーがチャップマンより甲乙つけがたく好きだったからなあ・・・。
上映が終った後、３人の監督の内の一人ベン・ティムレットさんのトークにも残っていたのだけど、質疑応答で、「なんでパイソン物がなかなか映画にならない中、このような悪夢な作品が映画になれたのでしょう？」と聞かれ、
一言「それはコネ（監督の一人ビル・ジョーンズがテリー・ジョーンズの息子だから）があったから」という答えが「らしい」のでした。

キース・ムーンも絶句するような悪夢な生活の映画に小さい女の子が一人来てまして・・・・ほぼ全編Sex & アルコールの映画でヤバイかと・・・。ヤバイ、と監督もその子を見つけて指摘してましたよ。実際に日本で公開されるのかしらん？疑問ですが、その時には子どもは見られないだろうなー。

昔、まだ小学校に行く前、札幌の松竹に「バンビ」だったか・・・とにかくディズニー映画が来たので夜に家族で見に行った。これが初めての映画館体験の上、夜のお出かけだったので嬉しくて仕方ない。当時はだいたいが２本立てで、その時間はバンビ（多分）はもう１本のあとでありました。もう１本はフランス映画だと思うのだけど、ムーラン・ルージュあたりのストリッパーが沢山出てくるパリが舞台の映画だった。キラキラしたムーランルージュの舞台でオッパイがブルンブルン、大人の世界が繰り広げられていて、わたしはのけ反りつつも、衝撃はハンパなく、スパンコールのバタフライが目に焼き付き今も忘れられない。
寝たフリをした方が親もドキドキしないですむのではないか？と気を使って見ないフリしたりもしてみたり・・・。
そして、わたしは２本目の「バンビ」（もしくは「ダンボ」）の記憶がほぼ無い。
ナッシング！！！

帰宅時は興奮したのと夜だったのとが合わさって、熟睡して父におんぶされながら、母が何度も「先にバンビ（多分）だったら良かったのにねえ」と繰り返すのを聞いていたのでありました。
その後ディズニーにせっせと連れていってくれたのは嬉しかった。一番美しかったのは「眠れる森の美女」だが、おもしろかったのは「海底二万里」だった。

それはいいとして、小さい時に見た大人のエロい映画は衝撃的で一生忘れないんだよね〜バンビなんかよりも
きょうの女の子、大丈夫かしらん。

映画に戻って、ケンブリッジ時代のシーンでオスカー・ワイルドを演じるところがあるのだけど、まさに、チャップマンはオスカー・ワイルドだと思った。
人生もワイルドだぜ〜