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きょうは大森のギャラリーファーストライトで、遠藤啄郎さん演出、吉岡紗矢さん語り、音楽松本利洋さんの 樋口一葉『にごりえ』の語りがありました。 ガツンときました。 最初に遠藤さんが語ってくれたように、一葉の文章は擬似古文で書かれているためになかなか読みすすめるのが難しいです。わたしも何度かトライしてますが、1ページで降参。今となっては教科書にも載ってないそうです。 しかし、きょう一葉ゆかりの旧伊勢屋質店建物の存亡の危機を教えてくれた文京区在住のYさんが持ってきてくれた東京新聞の記事によれば、外国で言われている日本を代表する作家は川端でもハルキでもレディ・ムラサキでもなく一葉だという。その理由は一葉にはまったく西欧文学の影響がなく日本らしさが外国人にはグッとくるってことらしいのだ。夏目や鴎外は西欧の人にとっては特に目新しいものではないのだろう。 そこにエレキギターが加わり、演出が完成する。マーク・リボーがチャップリンの「キッド」に音をつけたのを昨年吉祥寺のバウスシアターで見た。あんな感じで演奏するのだけど、それに加えて日本ならではのドドイツにおける三味線のような間の取り方で、実はエレキギターというのは生の音でも案外いい音がするから、近くで聞くとアンプを通してと生の音がミックスされておもしろいのだ。 語りはもちろんすばらしかったのだけど、なんといっても圧倒的に『にごりえ』は完成度の高い文学作品であることを知った。物語の構成の完璧さ。情緒的になったかと思えば、いきなり客観的にストンと落としてみせる。そして最後には唐突に遠くの方から何の説明もなく物語が終わる、モームや芥川にも見られるけれど、そのやり方に読者は突き放される。そうなると、上述の西欧での高い評価は、英語に訳した人の力量にも依るような気がしてならず、英語で読んでみたくなってしまった。茶道や俳句とも通じる日本文学の「多くは語るまい」なところが、西欧の人にも通じているんだねえ。 先日美容室でGQを読んでいたら、猪子氏が「日本がの雨の表現は線になっているが、西欧ではDROPSになっている。」と書いていておもしろかった。実際は粒なのだが日本人は線にしてしまうというのは(ちなみにわたしは点で表現しますが)簡略化なのだろう。(猪子氏は「実は見えてなかいのだろう、日本人は」と書いていたけど)そうではないけど見えてるように表したっていいじゃないか、というわけだ。説明せんでもいいだろうと。その感覚が西欧の人々には「おお、東洋の神秘ぃ〜」なんだろうね。 そういえば、年末に見た映画『アンダー・ザ・スキン』が昨年見た映画のわたしのベスト1だったのだが、何がすばらしかったかって、説明が無いところ。 「多くは語るまい」・・・いいでっすねぇ〜(わたしは多いけどね・・) とにもかくにも、一葉の心情を主人公が語っている部分は心臓をえぐられるような鋭さで、明治の女の強さに圧倒された。それとどうしようもない貧困と這い上がれない泥沼な日常。にごりえ・・・・ずぶずぶと菊坂の関東ローム層の奥の谷間に集まってくるにごった泥溜まり。このどうしようもなさが23歳の若い女性によって品格高く書かれたことに言葉が出ないのでありました。ブラタモリで是非「地層と文学」ってタイトルでこのあたり巡ってほしいです!!!リクエスト! 「多くは語るまい」
by eggdance
| 2015-02-22 00:26
| 単なる日記
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