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12月1日と2日、茅野と上諏訪、下諏訪に行ってきました。楽しかった〜!
3月に一旦は茅野・諏訪旅行計画をしていたのだけれど「寒いですよ〜」と確か誰かから一言いわれてなんとなく断念、さらに春からずっと展覧会つづきだったのでまたまた延びて、伊勢丹の展覧会が終わってすぐにもう1回計画たてて、ようやく実現できたのでありました。 ![]() ![]() 『あずさ』に乗って茅野に12時すぎに到着すると、メルヒェン街道バスというのが出てまして、それで尖石考古学館に行くことができます。この「あずさ」に合わせているようです。そして考古学館から駅に戻るには16時すぎの最終便(ってコレだけしかないのよ!)しかないのであります。3時間も時間がある。タクシーで戻って諏訪大社上社に行った方が良いのではないのか・・・と考えつつ見学していたら、3時間が見学にふさわしい時間であることを理解した次第。 ![]() 平日ということもあってガラガラではあったけれど、少人数の団体が入ってきて解説をお願いしていたので、仲間にシレッと入って聞きました。もし行くことがありましたら是非15分の解説をお願いしてくださいね。館の方が愛に満ちた解説をしてくださいますよ〜。 解説を聞く前にすでにそのかわいらしさと独創性に感動しきりだったのですが、解説を聞いてさらに感慨深いものになりました。なぜこの2対が国宝になっているかというと、普通土偶というのは壊す目的で作られているのに、ほとんどそのままの姿で埋まっていたからなのだそうです。土偶は体にどこか悪いところがあった場合などにお祈りするために作られ、治ったらその部分を壊す、というものだったらしいです。が、1986年に発掘されたこのかわいらしい妊婦姿の『縄文のヴィーナス』はほとんど無傷だったようで、おそらくは単なる祈祷のものではなくて、芸術性にもこだわったもの、飾るために作られたものであるかも、とのことだった。昔はお産というのは死を覚悟のことだった。このおうちではきっと無事に子どもは生まれ、そして集落の中心で見つかったとのことで、女系一族の本家に祀られていたのではないか、というのだ。良く見るとどこから見ても完璧な美しいバランスを持った土偶です。27cm。ふくよかな下半身、小さくてかわいらしい乳房、縄文時代の流行りだったとみられる渦巻き状の髪型。きっとこれを作った者は相当な芸術家だったのに違いない。土の中にはキラキラした鉱物も入れられていて、さらにスペシャルなものであることがわかる。 ![]() キラキラしている。顔はハート型。 ![]() 愛らしいお尻 ![]() どこから見ても芸術的。バランスが良いねえ。お人形さんとして抱きしめたくなる。 壊されてないということは大事にされてたのだと思うのだ。お人形のように。 2000年に見つかった『仮面の女神』に移ろう。『縄文のヴィーナス』の土とはどうも違う。黒っぽい。堂々とした両の足。縄文の模様のある格調高い衣を着ている。そして解説の方の説明を聞いてみましょう。 「このように美しく作ることのできる作者であれば、顔も相当きちんとした表現で作れたであろうと思います。が、仮面をつけています。仮面の横から紐が出ていて、後ろでハチマキのように結んだ様子がみられます。つまり、この土偶と一緒に墓に入った者は、このような格好をしていたハズで、おそらくイタコ。」とのことだった。イタコとか呪い師とか祈祷師とかそうゆう人なんだろうなあ。それだけでも感動的なんですけどぉ〜そのあとの解説がまたすばらしい。 ![]() ![]() ![]() きっと神官だったと思うのだ。神々しいなあ。 「発見された時、お墓の中に右足をわざと折られて寝かせられていました。その折れた部分に三角の石のかけらが中を塞ぐようにはまっていました。中を調べてみると、中は空洞で、その中に土とさらに石のかけらが入っている。その土をさらに調べてみると、かなりカルシウム分が強かった。つまり、遺体の一部(骨っを砕いて入れたってことかしらん)を入れて石で塞いだ状態だったのです。」まあ!!!なんて素敵なんでしょう。そしてさらに火葬についての解説がありました。 「日本の土は酸性です。土葬にすると年月がたつと全てが土になるのです。残るのは顔にかぶせたこのラーメン丼状の器だけなのです。」オオ、これまた感動的ではあ〜りませんかっ ![]() こんな風に横たわってたのよ・・・。発見した時、どんなに興奮しただろうか。 土にすべて還るんですよ。わたしもそれが一番だなあ、と思います。ラーメン丼のような器をかぶせるのは長野県独特だそうです。そしてそれらの土器も国宝になっていて陳列されていました。さらに解説はつづきます。 「重要文化財の状態の時にはつなぎ目は石膏のままですが、国宝になった途端、『もっときれいにしてください』と言われるので専門の所で作られた当時のさまを再現したようにしなくてはならなくなりますので、継ぎ目はほとんどわからなくなります。」とのことでしたが、なんとなくこの学者さんとしては「本当は継ぎ目がちゃんとわかるようにした方がボクは好き」と思ってる風でした。その気持ちもわからないではないなあ。 ![]() 学芸員の方の解説は希望すれば誰でも頼める。 いろいろと勉強になりました!解説聞かないとやっぱりイカンなあ。このあと黒曜石でできた道具とか壊された土偶のかけらだとか、縄文時代上期、中期、後期の土器をたくさん見て楽しかった。なんたってやっぱり火焔土器で有名な中期のものが見応えあるよねーあのグルグルぼうぼうした模様は一体どうしたってんじゃい! ビデオ鑑賞の中ではこの火焔土器の模様についてもお勉強した。この模様はとても複雑だけれど、広範囲に同じような模様がみられるのは、模様一つ一つに意味があって、それが共有されていたと。見て覚えるとかではなく。文字の無い時代だ。ケルトの口承文学とか吟遊詩人がいた時代のようにして広がったのだろうか、と思っていたが、それとはちょっと違うのかな。奥が深いねえ。考古学者ではないので、このくらいでわたしはヨシとします。 ![]() ![]() ![]() 縄文人、肉といえば鹿、猪。 尖石も見に行った。遺跡は広い。そして遠くに八ヶ岳も見えて良い景色です。散策してはまた館に戻って一休み。ガチャポンがあったので300円投入。一発で「仮面の女神」が出てきたのでなんとなく満足してもうやらなかったが、あとで見たら結構良い作りだったので、ほかの土偶も全部トライすればよかった。またいつか訪ねたい。 ![]() ![]() そうこうしているうちにメルヒェン街道バスがやってくる。たった1本しかない。途中に「縄文の湯」という温泉があって、行きのバスに乗った老人がここで降り、帰りまたここで乗り込んだ。「いやーいいお湯でした〜」とずっと運転手さんに会話を求める。時々こっちを見るので(客はわたしと二人のみ)ヤバイ、話しかけられるのはゴメンだ、と知らん顔をすることにする。しかし、「縄文の湯」で3時間よくいられるなあ、何してたのかなあ・・・・そのことばかり考えていたのだった。 ![]() 上諏訪で1泊。一緒に寝るかい、仮面。 つづく
by eggdance
| 2015-12-03 22:33
| 単なる日記
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