『時の女王』時よ止まれ！『時を感じるアート展』伊勢丹アートギャラリー

９月２０日〜２６日

伊勢丹５階アートギャラリー『時を感じるアート展』に出品いたします。伊勢丹アートギャラリーへは２月の『トイレに飾るアート展』に引き続き、、、ということになります。お題をいただいて制作するのは結構楽しいし、ア〜でもないコ〜でもない、わたしらしくこう捻って、、そしてこんな妄想とストーリーでいってみようか！など、あれこれ考えるのが好きだし、多分そうゆうのがわたしは向いているので毎回楽しく参加させていただいています。

 ２０代〜３０代の前半は立体やキネティックアート（機械を使って動かしたり音を出したりする）で百貨店のディスプレイや広告関係の仕事をしていたので、今でも工作作業ができる！と思うと萌えます。

　それでもあくまで銅版画を使う、というスタンスでやる、と決めているので（いつか変わるかもしれないけどね）、今回は時計を埋め込む箱を作ることにしました。

最初は小さな時計を埋め込む予定でしたが、葡萄屋ギャラリー喫茶室を営業しているうちに「砂時計」だな、これは。と決定。毎日毎日紅茶を淹れる時に３分計をひっくり返して使っているわけでして、日々見ている内にこのひっくり返すという行為がいつしか「トランプ」の絵札に見えてきたのでした。

トランプの絵札はうまくできている。上下ひっくり返しても真ん中あたりがうまく混ざり合って違和感がないようにデザインされている。てなわけで、女王様が砂時計をひっくり返すような絵柄にすることに決めた。まずは銅版画を制作します。やれやれ、これが一番忙しかった８月の仕事であります。。実は喫茶室のカウンターの裏で、時間が空いた時には制作していました。女王の衣装は細かいエッチングでの模様にしたかったので、なかなか時間かかりましたわ〜。ほとんどのレース模様はカウンターの裏でフリーハンドで制作。描画のあとの腐食や仕上げはもちろんスタジオで制作。箱に貼るので、少し薄い紙に刷りました。

試刷りしたものを箱に巻きつけてダミーを作ります。こんな感じに表裏にハートとスペードの女王を分け、３分計と１分計、あるいは３分計と５分計にすることにする。

箱の中央に砂時計をはめこむ窪みを作る。まず砂時計を選びそれを測って作ります。裏はこんな風になっています。いろんな材料を駆使します。ここに最後に裏板をつけて小さい箱にします。

４個できました。その途中で片面だけでもいいかも〜？？と思うに至り、２個は片面にする。

凸凹の部分を滑らかにするために木工パテできれいに整えます。

この間に本番の版画を刷ります。手で触ることになるので、完全に乾くまで待つ。

さていよいよ箱に版画を貼ります。ピタッと貼る。そして真ん中の窪みの部分はこのように切り込みを入れて折り曲げて貼ります。紙の厚みが少しできるので、砂時計はいい具合にギュッとはまりました。

砂時計がはまりました。半分だけ埋め込まれている感じになっています。お取り換え自由〜〜！実用的なアート作品です。　縁のところにウィリアム・モリスの布を貼ってみました。きのうエミール・クストリッツア『アンダーグラウンド完全版』を見に恵比寿に行ってきたのですが、ついでに恵比寿の雑貨屋巡りもちょいとしてきまして、素敵な英国雑貨や洋服、布を売っているお店を見つけて購入したのでした。「いちご泥棒」の一部を使っています。ハートの女王には赤ヴァージョンを使用しています。

　きょう伊勢丹に持参。ギリギリだったけどできてよかった〜！『時の女王』たちは時を自由にあやつります。進める、戻る、そしていつまでもいつまでも止めることができます（砂時計だからね〜〜）。わたしに制作の『時』をくれてありがとう！

　あしたからです。アートギャラリーの隣にある上品なカフェの壁にもわたしの「ダイヤモンドストーリー」の２点が飾られていますので、もしお越しの際は見てみてくださいね！

http://isetan.mistore.jp/store/shinjuku/floor/main_5f/art/index.html