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また、最終日のギャラリートークで貴重なお話をしてくださった翻訳家の宇野和美さんにも感謝を申し上げます。 わ〜!終わってみたら、すごく良い展覧会だったよ〜〜やってよかった!! (写真左は宇野和美さんです。二人ともニコヤカで良い写真でしょ!撮影してくれた斎藤ヒロコさんありがとう) 最終日のトーク、終了後みなさんに「おもしろかった!」と言われて、本当にやって良かったです。たくさん集まってれたし、熱心に耳を傾けてくれる様子が嬉しかったし、楽しかったです。 <たくさんの人の情熱が良い本を作るのだ!> さて、まずは宇野和美さんのお話です。 『太陽と月の大地』をずっと昔にスペインで発見して以来、宇野さんはいつかこれを翻訳するのだ、と心に決めました。しかし、数社の出版社に持ち込んでみてもどこからも断られる。そして何十年もたって、福音館書店の編集者水越さんに出会ったのでした。そこでついにこの本は宇野さんと水越さんの情熱をもって本という形になることができたのでした。 この、本を作る情熱こそがわたしは素晴らしいと思うのであります。わたしのトークの時にもしつこく言いましたが、銅版画で締め切りのある仕事を依頼する人は勇気がある。時間はかかるし、直しはできないし、とても大変なことだとわかっているとすれば。それでも依頼してくれて、辛抱強くラフを検証し、仕上がりを待ってくれる。さらに、すべてのものが終わったあとに今度はデザイナーさんがもっと本を良くするために、あと数点新たに制作してほしい!と言ってくる、という情熱。これでもか、とどの人もできる限りの力を注ぐ努力を惜しまなかった。この情熱がある限り、本の未来は暗くはないと信じます。 水越さんはわたしとそれまで一度もお仕事をしたことはありません。ですが、東日本大震災のあとわたしが「マスキングマスク」を作って東北の子どもに送ろう〜運動を始めた時にいち早く社内の人を誘って作って持ってきてくれた方で、その後も必ず個展にきてくれていました。3年前の個展の時に初めてこのスペインの本のお話が出ました。「ぜひ松本さんの銅版画で」。と言われた時よりずっと前に宇野さんとは出会っているのだと思う。それからさらに1年たち、忙しい宇野さんからの翻訳が半分届き、またしばらく間があいて、後半が届く。と思ったらわたしの個展がやってきてしまう。等々でまた年をまたぎました。宇野さんがこの本を見つけてから20年か30年たっているのですね。 宇野さんからはこの本の時代背景がまず語られました。700年イスラムが支配していたイベリア半島。15世紀から始まるキリスト教徒によるレコンキスタ(イスラム教徒を国外から一掃した)ですが、17世紀にレコンキスタが完成(キリスト教徒側からみる言い方ですね)するその前に、キリスト教徒もイスラム教徒もお互い宗教は違っていてもうまく共存していられた時代がありました。この本はスペインにおけるもっともキリスト教徒が寛容だった時代のお話が出てくる、というお話が聞けました。宗教の違う二人の少年が冒険をする章はとても感動的で、宇野さんがその部分を朗読しました。 物語はページを追うごとに切なく、非情な世が描かれていきます。悲しい歴史にきっと誰しも悶々とすることでしょう。だからこそ、編集の水越さんもデザインのIさんも表紙と裏表紙はしあわせなシーンにしたい!と言っていて、3人でどんな風にするか話し合いました。淡い恋心、しっかり繋がった友情、この感情は誰にも止めることはできない。しかし、人間の疑心暗鬼は現在につながるこの容赦ない争いの世の中を作る。なぜ違うもの同士共存することができないのだろうか。 わたしはこの小説が児童書として本当にすばらしいと思いました。良い世の中を作る基礎はやはり教育なのだ。子どもの頃に良い本を読むことは必ずやどこかで思い出し、良い方向へと人を向かわせる。と、信じたいのだ。 カーテンを開けば未来は開く!ハズだった。 <わたしが話したこと> 次はわたしのお話。 かいつまんで言うと、 *銅版画での挿絵の仕事は直しができないことを伝えることから始まる(綿密な下絵) *時間かかる(とはいえわたしはすごく早いですが) *でも、終わったあとでも展覧会に出して売ることができる(だからギャラで文句を言ったことは一度もない〜) *資料集めが大変。時代考証、そこはわたしは細かい そして、今回1色の挿絵にあえて色刷りして展示してみて自分で感じたことは、 *絵本と違って、物語の場合は文章からイメージを喚起することを手助けする、ということに挿絵のスタンスがある方が良い。 ということでした。文章だけで十分子どもの想像力は自由に色をつけている。それは自分だってそうだったではないか!ということを示すために、子どもの頃わたしに一番影響を与えた挿絵の本2冊を持参しました。 1冊目は小学館の「少年少女世界名作全集」のアメリカ編に入っている「小公女」です。バーネットさんはイギリス人ですが、アメリカに移住したのでアメリカ編に入っています。 そして、問題はもう一つ。このセーラの格好は1900年ころの衣装とはちょっと違うのではないか....子どもだから長いドレスではないのは良いけれど、このブーツは違う!絶対違う。これはこの本が作られた1960年代の流行りのスタイル、ツイッギーが出てきたころのブーツ!ヴィクトリア時代らしく編み上げにして欲しかった〜〜 と、わたしはこうゆうところはやはりちゃんと描いて欲しいな、リアリティ感じたいな、と思う方なのであります。だからこそ、自分が挿絵を描く場合は、徹底的に調べないと気が済まないのです。それでも失敗してしまうことはあるのですから、やってもやってもやりすぎることはないと思っています。 なんて話をしました。 もう1冊はポプラ社から出ていた「名探偵シャーロック・ホームズ」シリーズの絵。 この挿絵がすごく好きでした。洋画家の方がこの時代は挿絵を描くことが多かったようです。スリルとサスペンスがグイグイ迫ってくる臨場感のあるこの挿絵が大好きな理由の一つは「映画のワンシーンをみているよう」なところです。 わたしが普段から描きたい、描いている絵は、物語を感じる、動きのある、映画のワンショットのようなある一瞬を捉えたもの、が多いです。感情がフッと動く、その時の表情や体の動きや空気の重さが好きだからです。それがこの本にはウハウハと出てきます。 自分が(そんなに多くはないけれど)本の仕事をするようになるとは思ってもみなかった子ども時代、たくさんの挿絵を見たことは宝だな〜と思います。本を与えてくれた両親に心から感謝しています。 ほかにもなんだかたくさんペラペラしゃべりまくったと思うのですが、もう忘れてしまったわ〜! 楽しんでいただけたようなので、気をよくしております。またやっちゃうよ!今度はどんな話しよっかな〜 個展が終わるといつも通りルンルン。友人達を誘って食べたくて仕方なかった「蘭々」の「黒酢酢豚」食べに行きましたよ〜乾杯!!! ホントに美味しいよービールと紹興酒でみんなでヘラヘラしながら帰りました。アリガトー! きょうは雪でしたね。ポポタムへまた行って、搬出してきました。本たくさん売れて嬉しいです。絵もなんとか合格点!目白にある紅茶屋さんでアッサムのCTCを購入。ちゃんとしたc/sで1杯試飲させてくれるお店なので、体もポカポカになって嬉しい。 しばらくはティールームと制作の日々に戻ります。2月、4月は個展。3月はグループ展になりますが、ちょっとおもしろいことやりますね。 グラーシャス アミーゴ!
by eggdance
| 2018-01-22 21:13
| 展覧会/schedule
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Comments(2)
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