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きのうわたしは4畳半の下宿にいる夢を見た。ドラマーのY口くんが訪ねてきてくれて一緒にコタツに入ってお茶を飲んだ。わたしが大学に入って数ヶ月間だけいたところがちょうどそんな感じのところで、裏寂しいような楽しいようなところだった。そして、今朝わたしは石岡瑛子の夢を見たのだった。石岡瑛子のちょっと瀟酒な部屋になぜかいるのだった。そして、ガバッと起き上がって、バタバタつづきで忘れかけていたものを思い出したのでした。
個展が終わったら行こうと思っていてずっと行けなかった世田谷文学館の「植草甚一マイ・フェイヴァリット・シングス」に行ってきました。 たくさんの収集品、蔵書、創作物、写真、原稿等々、そのほとんどがわたしにとっては懐かしく、大学生の頃にタイムスリップなのだった。大橋歩の表紙の「宝島」がズラッと並ぶ。ああ、ほとんど読んでいる・・・これとニューミュージックマガジンとポパイとビックリハウスとチャンピオンねえ・・かかさず読んでたよねえ、あ、新宿の紀伊国屋書店の下にあった「DUG」のマッチがあるねえ・・よく通ったなあ、神保町の田村書店の中の写真があるなあ、ここの前で見かけたことあるもんなあ・・・珈琲屋までついていったっけ。もちろんたくさんの本を抱えていたね。その時はふろしきにくるんでいた。ミステリーのこと、ジャズのこと、映画のこと、ニューシネマやドラッグや新しいアメリカの文学のこと、サブカルチャーはこの人と共に成長していったのだろうな・・パルコができた頃からなのかな。コラージュやデザイン化した文字の書かれた箱や手紙にハガキにカード・・・・うーーーーーん、コレ、どこかで見た、見た、見た。いつだったか。それは、数年前に大々的に開かれた「エリック・サティ展」で見たおびただしい数の自筆カードやコラージュなどと見事にかさなってしまったのだった。 (写真:世田谷文学館の中の「どんぐり」のメニュー。J.J.氏お好みのチーズケーキとコーヒーのセット) こんなに長くわたしはアンクルJのこともサティのことも知っているのに、今はじめてこの二人が仲間であることを発見したのだったっ。洒落た格好をして散歩をする初老の紳士。街が好きで、美しい文字を書き、オリジナリティあふれる創作をしつづけ、たくさんの友人に慕われ、独自のライフスタイルを貫いた。 そして、もうひとつこの二人の共通性を発見してしまったのだ。 それは長いタイトルなのだった。「犬のための本当にぷよぷよした前奏曲」ほか、たくさんの変で長いタイトルのあるサティ。言いたいことは言わねばならぬ。まずそうゆうことなのだ。 植草さんのタイトルがもんのすごく楽しいのは「スイングジャーナル」の連載のもので、これはどれも圧巻だ。しかも文字のデザインも凝っていて、ただのタイトルとはかけ離れたものになっている。たとえば、こんなの。「おやまたかと思ってアイラーをめぐる議論を聴いているのだが」なんてものは普通で、「なぜオーネットの「チャパクヮ組曲」が映画に使われなかったかラビー・シャンカールのを聴いて判然とした」とか「アラン・ジェルベのフィル・ウッヅ研究はとてもいいなと思いながらいまノートをとっている」とか、これがタイトルなのだ。こんな感じの文章はいまでこそ音楽雑誌などでは見かけるけれど、とにかくこんな風に感動して思ったことを話し言葉のまま書いたものというのはこの人が最初なのじゃないかと思う。これはやはりビートニクの影響だったのではないか?とわたしは思っている。(ビートニクだけではなくてサリンジャーのような話し言葉の巧みな作家も影響したのだろうけど) 最近友人にわたしの文が長いことについていろいろ聞かれたので、ちょっと考えてみたのだけど、その時は、それはケルアックが障子紙をタイプライターに差し込んで思ったことを休みなく句読点をほとんどつけないで(英語に句読点なんてないけどサ)頭に浮かんだ順番に書いていく感じがいいなと思ったからだ、と答えた。わかりニクかろうがなんだろうが別に知ったことではない。一気に読んで、なんとなく感じることができればそれでいいではないか?と思っただけのことなのだ。 植草さんはジャズと共にビートニク文学に触れ、そのリズムで文章を書いた人なのだと思う。ビートニク文学は特におもしろくはないよ。実はね。だけど、その成り立ちはおもしろいのだ。付随するものが魅力的で、こうゆうものに入りこんでいくかいかないかが人生の分かれ道なのだろう。 そのあと工房で図録を出していたら、同じ世代の友人ひとりと植草さんの話や読んでたものや喫茶店の話で盛り上がった。でも、ほかに数人いた同じ世代の友人はまったく植草さんのことを知らなかった。村上春樹のことはよく知ってるけど、植草の「う」の字も知らない(もしかしたら片岡義男も知らないかもしれない)。どこでこんな風に分かれてしまうのか。「これ、おもしろいな」と思う部分がちょっとだけ違うのだろうけど、その「ちょっと」は埋めることのできないものでもある。 「B&W」の作品クレジットはデザイナー泣かせだった。それはわたしの作品タイトルが長いせいで、「これからは短くしてねん」と言われている。無理かも・・。わたしの作品で一番長いタイトルは「ロビン夢を語る。シシー『それは夢よ』と答える」だけど、今回はその絵は載せてない。「11月11日11時11分、シシーの鳥逃げた」というのも長い。「Madam Monie/マダムモニエはいつも冬にやってくる」というのもある。 世田谷文学館では図録と坂口安吾の「堕落バッヂ」を買った。
by eggdance
| 2007-11-22 22:55
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Comments(2)
松本さま 私にとって植草甚一は、昔からあこがれのおじいさん。若いころ、テレビのインタビュー番組を見て、JJが醸し出す「自由感」に惚れてしまいました。とくにジャズが好きということはないのだけど、植草甚一展は最高でした。私よりずっと若い人が、植草甚一展で同じような思いを感じていたとは、驚きです。
坂口安吾の「堕落バッヂ」は、買おうと思ったけれど、あまりにもはまりそうなのでやめました。ますます、松本ワールドを構築してください。
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eggdance at 2007-11-28 18:43
18歳ころのわたしの夢は「おじいさん」になることでしたヨ。スッカリ忘れてました。最近のわたしはヒゲ面も違和感なくなりましたしねえ、来年あたりは犬のホドコシのあるステッキでも持ってみたいもんです。潜水夫安さまも、きっとツイードのジャケットなんぞ着てニューヨーク闊歩、イケてたことでしょう〜。潜水夫としては暗闇のダウンタウンもいい感じですね。
植草甚一展は「おもしろがる気持ち」の持つパワーを感じました。 好奇心が大事ってことですね。 >あまりにもはまりそうなので ええ・・・デカダンですもんね・・・・・
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