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きょうは今年最後のイラストの仕事が終わったので、余裕かましてたくさん文章を書く。あとは自主練にて終わり。クリスマスなのでケーキを買いにでかける。いつもより少し小さいのを買う。あまり甘いものを食べなくなってきたので。
電車の中、喫茶店で最近読んでいたのは『渋谷百軒店、ブラッックホーク伝説』。 ブラックホークについて語るとトシがばれてしまいますが、76年頃から81年くらいまで行っていたような気がします。十代からですね。76年77年が一番足しげく通っていた年だったと思います。大学に入った頃から行きだした。この本の中に客が選んだベスト20というのがあって、これは年末客が投票してたんだったと思いますが、そこに76年ライ・クーダーの「チキン・スキン・ミュージック」と書かれていたからわかるのだ。このレコードジャケットが入り口入ってすぐ右側のガラスの部屋(レコード棚とターンテーブルと厨房がある)の前に飾られている時によく遭遇していて、『ああ、なんだ、またコレか』と思った記憶がすごく強いからわかるのだ。ハッキリ覚えてないけれど、この時にはまだこのガラスの奥には松平さんがいたと思う。小さくてコアなネタばかりが載っていたミニコミ『スモール・タウン・トーク』は不定期で、いつも楽しみに持って帰っていたけれど、『なんだ、まだ新しいの無いんだ・・・』とよく思った記憶があるので、相当通っていたと思う。なにせ、ほかに行くところがなかっのだもの。この時代渋谷では、公園通りの頂上渋谷公会堂(今C.C.Lemmon)の向かいにあった『時間割』という普通の喫茶店に行ってしゃべって長居するか、しゃべれないブラック・ホークで本を読んで長居するかどちらかだったのだ。 この本を読んでいると、わたしが通っていた時はもうロック喫茶という感じではなく、トラッドばかりというわけでもなく、トラッドからだんだんアメリカ西海岸のものや、シティミュージックに移行し始めていた頃のようです。行かなくなりだしたのは、松平さんもやめていて(当時はそんなことは知らなかったけれど)レゲエばかりになったからで、『ハーダー・ゼィ・カム』は好きだったけれど、それで終わってしまったからね。 わたしは初めっからここはトラッドの店なのだと思っていたけれど、そうじゃなかったんだなあ。元はジャズの「DIG』だったというのはPIGAのマスターが以前通っていたという話を聞いていたので知っていた。PIGA氏はこのそばに住んでいたから。松平さんのコーナーはミニコミに載っていて、今でもほかの文章は青空文庫で読めると思います。もう亡くなってしまわれました。本当にガンコなトラッド好きだったと思います。特にグラムロックやパンクが大っきらいらしいのがおもしろい。わたしはグラムロック大好きだったけど、ほかも聞く。 この本の中にもいくつかのエッセイ(ニュー・ミュージックマガジンに載っていたもの)が載ってます。これを読むと、ブラック・ホークのあの雰囲気が蘇ってきます。その文章の中に、トラッドは歌に始まるのだ、というのがあり、やはり独特な歌唱がこの店全体を包む雰囲気になっていたのだなあ、と思いました。ジャズやロックとは全然違う発声法で、違和感がある場合もあったし、割とすんなり入る場合もあったし、どうもこれは今になって松平さんが書いているのを読んでわかったことだけれど、トラッドを(勿論ここで言ってるのは英国のです)やる人たちは伝統的に古謡をやってる人たちとロックやフォークをやっていてそちらに興味があってやり始めた人(これらの人たちがプロアマ関係なく混じり合っている)がいるわけで、多分歌い方はその両者では違うんでしょうね。フェアポート・コンヴェンションはその点、わたしには違和感はなかったけれど、もっと土臭いものはちょっとずっとは聞いてられない。女性ヴォーカルの裏声だとか太い声で朗々と歌う男性ヴォーカルとか。それよりもアメリカのマリア・マルダーの方がまだ普通に聞いていたような気がするし、アーロ・ガスリーとかのフォークもよく聞いていた。 わたしはトラッド好きだったわけではないのです。だけど、なんか居心地がよかったのでズルズルいた。何を歌っているのかはほとんどわからないで聞いていたのだけど、時々何かで読むと、それはただの「惚れたはれた」ではなくて、まさに口承文学とでもいうのか、物語になっていたり、近所の事件を語っていたりで、言葉がわかっていたら、もしかしたらこんなトラッドばかり聞かせる店で、本なんか読んでられなかったんじゃないかな〜と思います。物語やら事件が気になっちゃって。 でも、わたしが行っていたころはすでに日本の音楽なんかもかけるようになった時代だったので(たとえば細野晴臣とか吉田美奈子とかで)、ドップリとトラッドということはなかった。エリック・アンダーソンやジャクソン・ブラウンもよくかかっていたし。公園通りの方とこの百軒店とだいたいわたしは二方向両方に行っていて、かたやパルコや西武のブランドに目覚め、洋服を見たり広告やイラストレーションに夢中になっていながらも、道玄坂から怪しい小道に入りムルギーのカレー屋でオヤジの真似なんかしたあと本を持って入る喫茶店はココしかないから・・・・という具合で通っていたのでした。ファッションの移りかわりが激しかった頃だったかもしれない。最初は西海岸風ブッシュパンツはいて行ってたと思うけど、その内BIGIの服着て行ってる。これはどうも合わない。なので段々場違いな感じで行けなくなる。 はちみつぱいの和田さんも寄稿している。知らなかったけど、ブラックホークで働いていたんだ。その後高円寺でロック喫茶を開いている。ここでは中央線ののちに東京ロッカーズといわれる人たちが集まっていたようだけれど、わたしはその頃よりはちょっとあとの世代だし、どうも決定的に中央線の方に足が向いていかないような感じなのではないか?と最近思うようになってきた。中野坂上に住んでいたので、中野には良く行ったけれど、そこだけ。このあたりのロック喫茶はおしゃべりバンバンするところだったようですが、ブラックホークは元がジャズ喫茶だったせいかしゃべり過ぎると怒られる。それでもわたしは高校生の時にはジャズ喫茶に通っていてそうゆうのには慣れているのでしゃべらなくても大丈夫なのだ。中央線では西荻窪のギャバンというところがサボテンをやりだしてから良く行ったところだった。高架下にあった。ここの客にサボテンの初代ヴォーカリストがいて、いつのまにかメンバーになっていた。中央線沿線ではそうゆうことが起こり得るが、しゃべることがない店ではそうゆうことにはならないだろうと思う。 ブラックホークがロック喫茶だ、と言う人は多分今50代後半なのだと思う。この本を読んでいるとビートルズやプロコルハルムなんかがかかったと書いてあるところがあるけど、わたしは多分一度もここでビートルズは聞いてない。せいぜいザ・バンドなんじゃないだろうか。 はちみつぱいといえば・・・と強引なんですが、デザイナーのながしまさんがいろいろと企画協力していたあがた森魚さんのライブが群馬の山の中『ながめ余興場』で先日あって、そのリポートを見てみたら、国民宿舎の中の打ち上げで、自然とセッションとなったらしく、中川五郎さんが「ミスターボージャングル」を歌い、あがたさんとよしだよしこさんが踊ったりフィドルがあったり(武川雅寛さん)アコーディオンがあったり(鈴木亜紀さん)して、その写真がもの凄く楽しそうだった。 別にブラックホークとは関係ないけれど、トラッドっぽいよねえ、こうゆうのって。座敷童子の目撃者も多数現れたそうで、これもまた伝承音楽と絡まってしまって、なんだか不思議な話だ。 しつこいようだけれど、特にトラッドを聞いていたわけではない。だけど、ブラックホークが一番よく通った喫茶店だったし、「ヒバリ」がそんな感じだ、と言われれば、確かにそんな感じであって、やっぱり好きなのかもしれないし、もしかしたら通っている内に特に何が好きだ、ということもなかったけれど、身体にあの雰囲気が染み付いてしまっていたのかもしれない。 『ブラックホークの選んだ99枚のレコード』というのがある。77年のことなので、絶対にわたしもこれが載ったミニコミは持っていたハズなんだけど、もうどこかに行ってしまった。これが復刻されている。やっぱり半分以上知らない。わたしが行っていた時でも、知っているものなんてほとんどなかったのよね。たまに、その場で読んでいた音楽雑誌のレビューに載っている新譜のジャケットが飾られている時があって、その時にはホッとしたりした。これを眺めていると、やっぱり聞きたいと思うものがあるし、欲しくなってしまう。どこかでヒョイと聞けるようなものだったらわざわざ買わないと思うけど、あまり見ない聞かないものが多いので、あえて探したくなる。でも多分今は探さないと思う。何年か前に思い出したようにサンディ・デニーの古いのを買った。でも、さほどのワクワク感もなかった。アレ?そうだっけ?みたいな感じで。ドノヴァンの方が(このリストに載ってるものの中でくらべてるだけだけど)何度でも聞きたくなる。わたしが好きなのは多分トラッドというよりは、トラッド臭のするようなものなのだろうと思った。でも、明らかにこの店でその臭いはついたのだった。
by eggdance
| 2007-12-25 00:49
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